■■■■下関の水産

下関の水産

昭和41年、全国一の水揚げ高を記録、
名物のフクは全国の80パーセントを占める。

 明治時代の水産業は、沿岸漁業が中心で、山陽地区では、明治15年からノリ養殖が行われている。やがて、釣、縄、流網などの漁具が発達し、遠洋漁業への傾向が強くなっていった。明治40年代になると、下関港はトロール漁船の基地となり、同44年には68隻を数えた。

 大正時代にはいると、林兼商店(大洋漁業・現マルハ)が竹崎町に店舗を構え、朝鮮半島近海で捕れた魚を発動機船で運搬することを始めた。その後、近代捕鯨が発達し、林兼商店が南氷洋の新漁場に冷蔵トロール船を配船すると、水揚げ高も増大した。漁港の整備は、「下関漁港期成同盟」を組織し、昭和8年に現在の下関漁港の修築を起工、同12年に小瀬戸の締め切り工事が完了。同13年には県漁港事務所が開設され、現在の下関漁港の姿が出来た。

 一方、昭和20年に設置されたマッカーサーラインに続き、同27年には李承晩ラインが設定され、これを侵犯した理由で漁船が次々に拿捕された。同25年の中共ライン設定による拿捕もあり、戦後の水産界に大打撃を及ぼした。同30年代になると水揚げ高も回復し、20万トンを維持するようになり、同41年には以西底引き網漁船も166隻を数え、水揚げ高は28万トンで全国一となり「水産都市下関」と呼ばれるようになった。

 その後、同50年代になると200海里漁業水域の設定、原油の高騰の影響を受け、遠洋漁業が不振となると共に、栽培漁業への取り組みが盛んとなり、新しい漁業の方向となっている。このような水産界にあって、フクは、現在、全国水揚げ高の80パーセントを占め、全国に「フクの下関」の名を高めている。

 また、岡十郎・山田桃作の二人が近代捕鯨の取り組みを開始し、日本遠洋漁業株式会社を明治32年に創立、下関漁港ははやくからキャッチャーボートの基地であった。昭和57年に商業捕鯨は禁止されたが、本市水産業の中での鯨は、いつまでも記録に残ることであろう。

(1995年発行「下関なつかしの写真集」より転載)

水門を挟んで左が彦島、右は大和町、水門の向こうが下関漁港

 昭和11年9月、良い漁場であり、多くの料亭の並んだ美しい海峡だった小瀬戸を埋め立ててこの水門が設置され、彦島と下関は徒歩で行き来できるようになりました。竣工当初は開閉式の水門の上を人やバスが通行していましたが、やがて隣接する関彦橋の完成(昭和26年)し、水門は歩行者と軽車両が通行できる上下動式に作り替えられました。しかし、関彦橋の車両通行量が1日に2〜3万台に達したため、現在は船が通行するときには丈夫に持ち上げる可動式の車道もかけられています。

 写真は中央のブルーグレイの車道部分が上部に持ち上げられており、2基ある水門のうち向こう側の1基の扉(黒い板状の物)があがっている状態です。

 上の写真は1998年7月に撮影したもので、ちょうど手前の水門が上昇し、漁港から関門海峡方向へ向かう船が出てきたのと交代に漁港方向へ向かう船が水門に入ろうとしているところです。

 下の写真は水門橋開通(昭和57年)です。朝夕の船舶が航行するときは路面(写真で自動車が通行している部分)四隅の柱に沿ってエレベーター状に高く上昇する可動橋。大和町と彦島の間に昭和57年12月25日に完成し、市街地と彦島を結ぶ3本目の自動車通行可能橋となりました。

 この下関漁港閘門は水産庁が発表した「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれました。>>水産庁の関連サイト

 2006年3月に発表されたこの百選は漁村の歴史や漁業史に残る出来事にまつわる施設を一般から公募し、学識経験者らによる選定委員会によって日本全国から百件が選び出されたものです。山口県内からは「下関漁港閘門」の他に、長門市にあり江戸時代に鯨の霊を弔うために建立された「青海島鯨墓」、1100年以上前から伝わる伝統行事と島の強風から漁師の家屋を守る上関町の「祝島の神舞と石積み集落」、明治初期に漁業で発展し今なおその面影をとどめる周防大島町の「沖家室の漁村集落」、100年以上前に建設された防波堤や護岸が今も残っている光市の「牛島漁港藤田・西崎の波止」が選出されました。

上の写真は昭和11年頃の水門です。(「下関なつかしの写真集」より転載)

水門橋を自動車が通れる時間
平日  0:00〜 8:40
10:50〜12:10
13:50〜15:00
16:30〜24:00
休日は終日通行可
振替休日は平日通り

 

  

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 1996/10/02 公開

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