ある街に平家イレブン、源氏マートという2つのお店がありました。
2つのお店は離れた場所にありましたのでそれぞれにお客さんを集めて商売が成り立っていました。
でも、源氏マートのオーナー頼朝君は自分の店よりも繁盛している平家イレブンのオーナー知盛君に良い感情を抱いてはいませんでした。
ある日、源氏マートの頼朝君は弟の義経君に言いました。
「平家イレブンさえなければ、この町内のお客は全部うちの店に来て大繁盛するはずだ」
義経君はいいました。
「はい、お兄様。平家イレブンをやっつけて来ます」
義経君は、街の盛場やダウンタウンで不良をたくさん集めて家族経営の平家イレブンへと向かいました。
「この平家イレブンさえなくなればうちの源氏マートは大繁盛になるとお兄様がおっしゃった。平家イレブンをやっつけるんだ」
義経君はそう言うと平家イレブンの周辺の家に火をつけ始めました。
「こうして平家イレブンの周りの家を燃やしてしまえばお客さんはいなくなるからな。へっへっへ」
義経君は平家イレブンとは何の関係も無い何軒もの家に放火し、多くの人が焼死し、生き残った人も家を失いました。
次に義経君は、平家イレブンの店内に入ると、偶然そこでアルバイトをしていただけの何の罪も無い学生を全員撃ち殺してしまいました。
「へっへっへ、アルバイトを全員殺せばお店はやっていけないからな。」
義経君は店内に若い女性のお客さんがいることに気がついて、つれてきた不良にこう言いました。
「おい、お前ら、手伝ってくれた御礼だ、そこの女を好きにしていいぞ。」
この惨状を見た平家イレブンのオーナー一家は全員自殺してしまいました。
一部始終をスーパー朝廷の後白河店長が見ていました。後白河店長は平家イレブンが近くに開店してから売上が激減し不満を募らせていたのでした。後白河店長はこう言いました。
「義経君、ありがとう。平家イレブンに客を奪われて困っていたんですよ。平家イレブンをつぶしてくれたお礼にスーパー朝廷の取締役にしてあげましょう」
義経君は言いました。
「ありがとう。とっても嬉しいです。お兄様に『僕はこんなに立派になりました』って報告しなきゃ。」
報告を聞いた兄の頼朝君は激怒しました。
「スーパー朝廷はうちの源氏マートのライバル店だぞ! そこの取締役になるなんて何を考えているんだ。もう二度と家に戻ってこなくて良い!!」
戻る家を失った義経君は乞食になって街をさ迷い歩きましたとさ。
おしまい
キャスト
平家イレブン:平家
源氏マート:源氏
スーパー朝廷:朝廷
平家イレブンオーナー、知盛君:平知盛
源氏マートオーナー、頼朝君:源頼朝
スーパー朝廷店長:後白河上皇
弟、義経君:源義経
焼き殺された人々:義経が転戦した先の罪も無い人々
殺されたアルバイト学生:罪も無い彦島の漁師さん
乱暴された女性客:罪も無い彦島の女性たち
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